北方領土問題についての最近のブログ記事

私は『鳩山一郎没後50年』稿でも書いたが、老耄の一郎氏が日ソ交渉にのりだしたのが間違いと思っている。その動機は誠に尊いにしてもである。シベリアに捕虜が多数いたのだから単純な批判はできないが、まずモスクワでは、全北方領土の復帰要求をすべきだった。ロシア側は第二次大戦の結果と強弁しているが喉まででて言わないことがある。ルーズベルトにもらったということだ。
独立プロが1974年製作した「樺太1945年夏 氷雪の門」という作品は数奇な運命のすえ幻の映画となった。配給は東宝の予定だったが、当時加山雄三主演の「さらばモスクワ愚連隊」という映画の製作協力とからませてソ連政府が東宝を恫喝し、なんと東宝は「氷雪の門」の配給をやめるという遺憾千万な決定をしたのだ。ただしこの間の経緯は東宝がわにも異論があるかもしれない。映画のあらすじは樺太の真岡(ホルムスク)で最後まで電話交換の責務をはたした9人の交換手の物語だ。
今日(2009年6月23日)の日経2面に北方領土問題で「準備」の小さい記事がある。麻生首相とロシアの大統領府長官が40分会談し、新たな解決策が準備されている、との発言がロシア側からあった。
麻生首相の有力外交アドバイザー・谷内氏と毎日新聞が言った、言わないでごたごたしているとの事だ。北方領土の面積2等分案である。ロシア人というと、自分勝手で国際法など破り放題というイメージがあるが、意外と合法性にこだわる人たちだ。ロシア管轄の土地で、北方領土は最も法的根拠が薄いことは彼らも知っている。だから第二次大戦の結果と強弁するのだが、大戦の結果が全てなら東ドイツはまだあるはずだ。
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拙稿『Ohne Freude  ヒラリーとのサイン』でも書いたが、日本の外相等は外国との文書に実に気軽にサインするようだ。先祖が不平等条約でどれだけ苦労したかの知識はなくなったのか。そういえば、小泉純一郎氏もピョンヤンでまずサインしました。孫崎享氏の新著『日米同盟の正体』でもとんでもないサインの話がある。あれほどもめにもめた安保条約は1年ごとの自動延長となっているが(いつでも、双方とも1年後に解消可能)、2005年10月29日に日本の外相・防衛庁長官と米国の国務長官・国防長官がサインした文書「日米同盟 未来のための変革と再編」で変身したという。国会審議など記憶にない。こんな事でいいのか。航空自衛隊総体の司令部がこともあろうに外国軍基地である横田基地内に移るのだから常人から見れば、この世のことともおもえないことも小泉時代にはおおありなのだろう。著者孫崎氏は外務省の出身。国際情報局長の後防衛大学教授の経歴をもつ。外務省には、91年ごろまで日本の国益を第一に考える真っ当な空気があったが、その後、巧妙で執拗な米国の間接的な人事介入で米国におもねる気風が一般的になったようだ。「影響力の代理人」は日本の各界にいる。孫崎氏もその毒牙にかかったのか。私などあまり米国大使館の工作が小泉時代うまくいきすぎて、シャー時代の駐イラン米大使館とおなじユーフォリアに浸っていると警告しているのだが、はたして効くものか。日米関係への著者の懸念は本書147ページに要約されているが、第8章の核武装に関する見解も参考になる。講談社現代新書 本体価格760円

日米同盟の正体・迷走する安全保障 (講談社現代新書) (新書)孫崎 享 (著)
鳩山一郎が没してから50年、孫の2人を中心に50年祭がおこなわれた。明るい性格で人並みすぐれた頭脳の持ち主。しかし文部大臣の時の滝川事件の処理からは反動政治家批判もあり、とはいえ軍の政治関与には反対し、筋をとおしながらけっこう寝技の政治手法にもつうじるという複雑な政治家だった。

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