書評の最近のブログ記事

実は読んだのだが、秀逸なタイトルの記憶が強い。東大医学部の中川医師(放射線科)が語られたと思うが日本人は患者の寿命を考慮せずハードな治療 を求める傾向がある。きわめて雑駁な私の要約だが。認知症の拒食患者の胃に穴を開けて栄養を注入する極端な例もあるという。実は人の命などいかほ どでもないのだ。素人の骨董好きが集まって褒め合っているようなものだ。などと言ったら身もふたもないから、ほどほどにしているのが現状だろう。

命の値段が高すぎる!―医療の貧困 (ちくま新書)
永田 宏
筑摩書房
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この本を読んだのは20年以上前だ。レバノンの内戦で停電が多く、通電されれば一挙に冷蔵庫で製氷して氷を蓄えるという市民の知恵の記述が印象的 だった。関東・東北でも少なくとも単身者は出社時にブレーカーを降ろして出勤すべきだろう。待機電力も集まれば莫大な電力である。レバノンの知恵 がいまの日本で必要になるとは。

勝者もなく敗者もなく (文春文庫 133-13)
曾野 綾子
文藝春秋
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おいらん言葉と軍隊の言語は共通性があるとよく言われる。構成員の地方性の排除ということだ。中村氏の『全ての人は過ぎてゆく』の末尾で、彼は標準語をエスペラントまがいと表現しているのもその伝か。

全ての人は過ぎて行く
中村 真一郎
新潮社
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今年の6月から発刊が始まるとのことだ。小学館の20年ほど前の昭和文学全集では、丹羽文雄の作品から「海戦」が選択されたことが思いだされる。今日、中村真一郎の「全ての人は過ぎて行く」を読んでいたのだが、267ページに復員青年という言葉が出てきた。それで発想したのだが、戦後文学の半分以上は「復員文学」ではなかったのか。集英社の担当者と選考委員の方々はどうおもわれるだろうか。もっとも私は光人社の本の方を選びそうだ。これは担当の方にとっても予想以上に大きな問題だと予想する。
嵐山氏ほど60歳後に有意義な仕事をはじめた元編集者もいまい。今度の著書は24人の有名物故作家のなじみの飲食店の紹介である。物故といってもお店は現存・盛況中なのがうれしい。岡本かの子の名作『家霊』にでてくるどじょうの店「いのち」のモデルが「駒形どぜう」とはしらなかった。かなりの創作が加わっているのだろう。

文士の舌
文士の舌
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嵐山 光三郎
新潮社
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ひさしぶりにアーサー・ヘイリーの『ストロング・メディスン』を再読した。作者は『大空港』『エネルギー』などを書いた作家だ。今日でも示唆に富 む内容で日本の製薬業を代表する武田薬品の姿となぞらえてみた。主人公のシーリア・デ・グレイはフェルディング・ロス製薬の初の女性プロパー(今 のMR)で数々の苦難を乗り越えて社長となる。
『回想外交50年』という本が2001年に東奥日報社から刊行されている。八戸出身の元ポーランド大使・原冨士男氏の著作だ。先日古書店で求めた。原氏が1971年、在カラチ総領事だった時に第3次印パ戦争が起こったのだが、緊迫した状況下での邦人保護の実務が語られている。

回想 外交五十年 在外勤務の哀歓
原冨 士男
東奥日報社
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必要があって書棚から食味関係の本を再読する。村井弦斎の『食道楽』はちと古い啓蒙書だ。丸谷才一先生によると吉田健一、邸永漢、檀一雄さんが3傑のようだ。1975年表題書・解説による。吉田茂の息子さんは明大の講義のあとで神保町ランチョンで水曜日(?)には必ず生ビールを呑んでいたらしい。ビルの2階になる前で西部劇の酒場みたいに奥まったところにマスターがいて彼の自慢のサーバーさばきによるビールを愉しんだ。文体は泥鰌ナマズみたいでくねくねしている。

食道楽(上) (岩波文庫)
食道楽(上) (岩波文庫)
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村井 弦斎
岩波書店
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食道楽 (下) (岩波文庫)
村井 弦斎
岩波書店
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「太陽の帝国」の著者の自伝である。1930年に上海に生まれ、昨09年に亡くなった筆者は、ランカシアー出身の富豪になった父の下で中国人と隔絶した生活を送っていたのだが、11歳で日英開戦となる。砲艦出雲(正しくは軽巡洋艦?)などの抜き打ちの攻撃を受けて逃げ惑う欧米人の姿は映画でもご覧の方は多かろう。

人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー)
J・G・バラード
東京創元社
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今、評判の一書。要するに57歳の男やもめが27歳の医学生となる人と再婚して(新妻は初婚)、3人こどもを作るお話なのだが、サービス精神満点 で話がてんこ盛りだ。プロの演出家だから、涙腺の刺激はお手の物である。文頭からプロの手練が感じられる。

願わくは、鳩のごとくに
杉田 成道
扶桑社
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昭和59年に毎日新聞から非売品として出版されたこの本は戦後の日本を知るためのかけがえの無い良書である。よく55年(昭和30)体制といわれるが保守合同後の体制という意味である。それ以前に新日本の骨格はできているのだからそれほど意味は重大でもない。増田氏は内務官僚としては病弱のため10年ほどのブランクがあり、病床での焼夷弾体験から奮起して再起、福島県知事・北海道長官として短期間に実績を挙げ、吉田茂の懐刀となった。一時は吉田の後継者候補筆頭になったのだから話はおもしろい。
いまミニ・ブームの千島列島の占守島の防衛戦を詳述した本である。作者はわかい頃に女性週刊誌のアンカー(文章をまとめる役)をした方らしいが、筆に荒れた所はまったくない。ソ連軍は徒河戦には慣れているが、海が介在するとどうも不慣れのようだ。

朝日ジャーナルの終刊は下村満子さんが編集長だった。ご本人は自分の名前を音読みするネタで笑いをとるおおぶりの人柄であるらしい。その終刊号の近くの号で昭和天皇のなくなったときインド政府が3日間の国喪に服したとの短報が載っていた。
イランを対象とする徹底的な経済制裁法がオバマ政権により制定されたが、本書で紹介された1941年を中心とする対日経済制裁に比べれば手ぬるいといえるのではないか。

過去参考原稿:日米開戦・驚天動地の新説

日本経済を殲滅せよ
日本経済を殲滅せよ
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エドワード ミラー
新潮社
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後藤新平の孫である鶴見氏関連の本は多い。最近も数冊でた。この本の特徴は一つのイシューで彼がコメントした経年的変化を記録していることだ。といって本質的変化は感じられないが後年の研究者には便利だろう。この本で私にとって最も興味深い点を紹介する。

言い残しておくこと
言い残しておくこと
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鶴見俊輔
作品社
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