2015年2月アーカイブ

歴史への責任だが、難しい問題だ。アメリカの場合は最低でもチェイニー副大統領の法廷への喚問が必要と私は思う。2001年の911事件はその後イスラム教諸国への軍事行動の原因となった。911事件の真相は明らかになったとは誰もいえないだろう。原因を究明する努力さえ十分に為されていない。こんなことが許されるわけが無い。
ホルムズ海峡だが、万一封鎖された場合でもアメリカ海軍の関心は劇的に低下している、とみるべきだ。米国は原油をほぼ自給可能になっているからだ。掃海艇の護衛をどうするのか疑問だ。ホルムズ海峡に機雷を敷設して利益のある国はさしずめロシアなどしか考えられない。安倍首相の発言が十分 な事前の根回しがあったのか。オマーンやイランの政府、そして国民にどういう影響をあたえているのかマスコミの報道が待たれる。地球儀を俯瞰する KY外交は御免だ。
文芸評論家に評論をするぐらいなら何故実作家にならないのか?こうたずねた人がいる。答えは「相撲が好きで土俵に上りたいが力士になれないので行司になると同じ」、だ。さて、政治評論家はどうなのか。政治記者でも良い。相撲における行司とは違って政治という生臭い競技自体に関与する度合いが強いことは容易に看取ることが出来る。田崎氏の今回の『安倍官邸の正体』の執筆はどんな政治行為なのか。悪く言うと「翼賛」 だ。「取り籠められた」という印象をもつ読者もいよう。ただし私は政治家特に保守政治家を批判することが当然と言う立場を取らない。政治家が取り籠むという努力をするだけの魅力を対象が持っているのである。読者は田崎氏が読者にかわって小泉進次郎氏に彼の出身大学が将来の一流政治家に期待される水準と合致するかという聞きづらい質問をするという「恩義」を負っている。少なくとも前著においては、である。そしてそこに本著の最大の「手抜き」がある。国家、国民、民族その命運を握る首相の素質が重要なことは言うまでも無い。鳩山(由)のパープリンさと東大(工)卒をあげつらう人がいる。たしかに大きな傾向に反する例外はある。しかし一流企業がそれなりのリクルートの努力をするのは理由なしとしない。口幅ったいことはどうでも良い。安倍さんの知的能力はどうなのか、という一点が最重要だ。筆者にはそれを(最低でも)示唆する重大な責任があった筈だ。

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菅官房長官が今回の外交事案について検討会を開くとの事だ。菅氏の発案であろうか、やらないよりやった方が数段よろしい。私の意見だが、首相のカ イロ発言もさることながら、イスラエル訪問を旅程に組み込んだことに無理があったのだ。これで、トルコもイランも日本を不快視しだしたことは間違 いなかろう。日本のマスコミはそのことを熟知しているのにイスラエルに遠慮して真実を語らない。イスラエルを訪問するのならロッド空港での慰霊の セレモニーもありえた。それもまた空港で亡くなられた被害者の霊に誠を尽くしても複雑な波紋を及ぼすことは避けられないことだ。私ごときでも瞬間 的に安倍首相の年初の訪問の困難さを感じる。結果論ではない。外務省が予測できないことではない。JNSCの谷内氏も相談が首相からなければ語る 仕組みになっていないのだろう。田崎史郎著『安倍官邸の正体』で指摘された安倍政権の日常的運営機関である、安倍・管・加藤(勝)・世耕・杉田 (和)・今井尚哉の6人衆では日本なりのヴェルト・ポリティーク(世界政策)の立案と実施は不可能ということだ。

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手島龍一・佐藤優の毎年恒例の対談・インテリジェンス本。2014年末は『賢者の戦略』(新潮社新書)と銘打って大増刷中のようだ。今回も期待を 裏切らない極上の出来と私は見た。その中で、佐藤は「誰とは敢えて言いませんが、さる大学の先生が、安倍内閣の裏顧問に就いたケースを知っていま す。そのうち事故が多発してしまうと、いまから予言しておきましよう(大略。同書242ページ)と語っている。要するにスパイ話の大好きな半可通 の素人が安倍首相に食い込んだと言う危惧だ。安倍首相がイスラエル傾斜を深めた理由は謎だが、こんな所にもある可能性がある。今回の日本外交の大 惨事の遠因がここにあるとしたら佐藤の予言は入神の域と評価しても良いだろう。

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医師の鎌田さんの本でたしか薬のディオバンの売り上げが年1500億円近くと読んだ記憶がある。このままですませる事は出来ない。最大の被害者のひとつは健康保険組合だ。製薬会社を訴えるべきだ。
前稿についてだが、アメリカの19人の歴史学者はマグロウ・ヒル社の教科書に関する声明をした。事実が記載されて反対する日本人はいない。教科書 でも良い、なんに書かれようがOKだ。ただし、事実でないことを事実とされては反対せざろう得ない。このことはのち論じるだろう。更に米国におけ る日本史研究者のレベルが低すぎるという主張をハーバート大学のANDREW GORDON教授の著作を例に私は展開したい。なにせ私は食道ガン の治療を優先せざろう得ないので、期日は約束できない。
安倍首相が19名のアメリカ歴史学者から連名の批判を受けたとのことだ。いわば世界の主流の歴史感覚からずれている、俗にいうと「ぐれている」と いう批判であろう。私には安倍さんの思いがよくわかるつもりである。日本と中国の1937年8月上海で始まった戦争は実は蒋介石が仕掛けたものだ。ルーズベルトのシカゴ演説は公平ではなかった。1941年の11月のハル・ノートが実質的な宣戦布告だ。後者に関しては米国を一概に責める事 は私には出来ない。先にゴムを止めたのは日本だからだ。さて、私が言いたいことは次のことだ。イスラム教の世界に乱暴者がいて安倍さんは許しがたい思いをもっておられる。当然のことだ。私も強く賛成する。しかし彼らにだって「ぐれる」理由はあるのだ。日本人が太平洋戦争の開始で小声で文句 を付けるなら、彼らは大声で不満を述べる十分の理由があるのだ。イスラムの人にしてみれば理由なしに異教徒が攻めてきたのは何回もあった。そのた びごとに妻が子供が殺された。いま極悪非道といわれている人々はそれに対する怒りを極端な方法で表しているのだ。勿論、彼らの行動に賛成できるわ けが無い。絶対にやめさせるべきだ。しかし、彼らの行動の根底にその思いがあるのだ。かれらの受難に比べれば1941年11月のハル・ノートなぞラブ・レターみたいなものだ。
今回の人質事件で迷惑をかけた国はどことどこか?日本の信用は他国に迷惑をかけないという所にあった。それを堅持すべきだ。ヨルダンはどうなのだ?エジプトは? トルコは?そしてイスラエルは?世界で屈指の難しい地帯にきわめて常識にはずれた形で訪問したのだ。さまざまの形で配慮 して修復しなければならない。本人に悪意は無かろうが、多くの国の人々の心を踏みにじった今回の安倍首相歴訪であった。挽回はとても難しいがやる 努力は必要だ。

雑感

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よく人間は得意と思っている分野で失敗する傾向があるという。要人のその分野が外交だったらどうだろう。金の処理や異性との交際で失敗するより多くの損害を万民に及ぼす。やはりイスラエルを旅程にはめ込むことに慎重であるべきだった。ドイツとソビエトを同時訪問した松岡外相が思い起こされる。テロ対策に防衛駐在官を増員するとか。ナンセンスにきわめて近い。「日本人に一指もふれさせない」あくまで比喩だがスピッツの叫びにたじろぐ山 賊なら苦労は無い。ワイツゼッカーより成功したSTAUFFENBERGという声があるようだが危険思想で支持できない。このままでは、元北大生の私戦準備容疑より首相の公戦準備が合法性を踏むだけに心配だ。雰囲気的には首相の私戦準備と感じる方も多かろう。シナリオがあったのだろうか?イスラム教vsキリスト教という争いの構図(ヨルダン等を除く)に仏教国がなぜか十字軍の一員にされた。有志国側としては歓迎だろう。海外製作のシナリオに乗ったのか?いまのところ私の側線にこつこつと水圧の変化は感じられないのだが。
日本の歴史に敗戦は無いと信じてきたのが大半の日本人だ。その人たちが敗戦を認めたのが、日本を占領するためにやってきたGIたちの態度によってだ。勝ちに驕ることなく、おおらかで自然な人間性を随所で示したから、日本人は完全な敗北を認めたのだ。米国の役所が70年もたってからあの声明 とこの声明を入れろとか、まるで自分が語るように日本に強制するのはなぜなのか?アメリカ人が変わったのだろうか?
安倍首相に辛口の評価を連発したが、首相のご苦労もまた尋常でない。さて今回の事案ではイスラエル訪問が「キモ」だったことは否定できない。しかし新しいことへの挑戦は必要だ。こうしたら良かった。パレスティナの地に日本が建設した現地の児童のための聾唖学校だがイスラエル軍に完全に破壊 されて久しい。安倍さんが訪れ、コンクリート・ミキサーの側で子供たちとスコップを振るうのだ。これくらいの行動があっても良かったのだろう。
病床で聞いたので間違いかもしれない。間違いであって欲しい。正月に安倍首相が「世界に冠たる日本」といった気がするのだ。片言隻句でも 国家と国民の運命がかかっているのが首相の発言だ。もし事実ならこれはひど過ぎる。脱税兄弟の兄の鳩山由紀夫をはるかに凌ぐ発言だ。300倍はひどい。世 界の状況を読む知力が無い、はっきり言うと知能が無い。私も日本の現職首相を悪く言いたくは無い。しかしこれはひど過ぎる。なぜナチスの 国歌 の歌 詞をよりによって選択するのだ。さて、ヨルダンとエジプトの状況を考えれば、イスラエルを同時に訪問する危険性は子供でもわかろう。いま、よく読 まれている文春新書で池上彰・佐藤優の『新・戦争論』だが、冒頭から、「支離滅裂」、「滅茶苦茶」の連発である。佐藤氏も池上氏も首相を 理由 無く 誹謗するキャラでは決して無い。言わざろう得ないのだ。谷垣氏でも稲田氏でも良い。首相交代を望む。日本の安全保障の危機の最大の原因は法制の不備ではなく、最高指揮官の資質であるのは明白である。

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私は時折露呈される度を超えた安倍首相の軽さと愚かさに敢えて目をつぶって支持の文章を書き続けてきた。私事だが、食道ガンの治療のためブログを休んでいたが見かねて再開する。中国の習体制に対する毅然とした安倍方針は世界史的な意義をもつという私の評価に変更は一切無い。ただし、今回の 人質事件は安倍氏が「8000キロのかなたからとんできて喧嘩を売った」という表現が当てはまる。その地にはその地の事情がある。なぜ敢えて反感 を買う必要があるのか。エジプトには博物館建設のために莫大な援助を約束した。いったい日本の財政状況を知っているのか。新春の声明にも耳を疑う表現があったようだ。

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