2012年9月アーカイブ

美しい日本の醜い閣僚がかつての安倍内閣だった。お友達内閣とも揶揄された。側近の下村博文氏の安倍氏への奉仕ぶりは、どこか野中氏への鈴木宗雄 氏の雰囲気と似ていた。選挙間近の下村さんには大変もうしわけないが、忠勤ぶりは似ているものの、国への貢献はプラスでもマイナスでもケタが違っ ていた。鈴木氏がもし従軍慰安婦問題をまかされていたらどう動いたかは推測の域をでないが、安部内閣ほど国際的文法を逸脱した迷走はしなかっただろう。日本だけの文法では通用しないのだ。これは隣国に屈服したり媚を売れという事ではまったくない。隣国がいかに国際条約を無視し蹂躙し、その 延長線上に本問題が存在するというなら、ある程度の国際文法はクリヤしているだろう。それ以上の策も色々あるであろう。しかし、安倍さん、下村さ んの頭脳からは逆立ちしてもでてこない。これは冷厳な事実だ。だから、官僚でもいい、在野の士でもいい、あらゆる知恵を結集するのだ。そのために 政治家は存在する。その努力をしただろうか。そしてできるだろうか。難問と題したのは、私の予想を踏まえたものだ。醜い閣僚とはごく一部の言いづらいことだが主に自殺された人物を念頭に置いて書かしてもらった。
9月27日(26日発行)の夕刊紙で日高義樹氏は米マスコミが尖閣問題などで中国びいきなことを論じている(「世界を斬る」)。前回の安倍氏の記 事は、その影響もあっての議論だ。アグネス・スメドレー以来のムード的な背景によるものか。あるいはパール・バックまでさかのぼるのか。米政界・ 経済界とは若干ことなるセンチメントがあるようだ。日高氏に異論や違和感をもつ方もいるだろうが、この夕刊フジの当該記事は極めて重要である。 ネット的には反日報道、中国べったりの報道を続けるワシントン・ポスト紙の姿勢に注目だろう。
安倍氏の当選が決った。石破氏も不安な部分は誰もが感じるだろうが、一方ロジカルな政冶を期待もできた。さて安倍氏だが、なんとなく品があるのは 長所である。しかし、米国のマスコミ受けはどうだろう。尖閣の国有化で厳しい反応を示したのがワシントン・ポストだが、これからも中国による米マ スコミ抱き込み工作は続き、安倍氏の再登場は明かに日本にマイナスだ。もう一つ心配なのは彼の頭脳の出来で、今直接ふれないが、彼以上の頭脳を持 つ部下を(それは大多数がそうなのだが)使いこなせるかの問題だ。それ以前に使いたいか、の問題だ。代表例が下村博文氏だ。彼が愛国の情を持つの は明白だが、切れ味はどうか。安倍内閣の官房副長官として、当時のノムヒョン韓国大統領の「従軍慰安婦」攻撃にたいしての対応はとても安倍首相を 補佐できるものではなかった。むしろ安倍氏が本問題で下村氏を補佐させたことこそが重大な間違いで、安倍氏に主要な責任がある。早晩、首相になる のであろうが、大問題の2,3以外の決定は全て、大臣達の熟議に任せたほうが良いだろう。個々の問題に適切な判断を常時続ける能力はもっていない だろうからだ。それを正しく認識してこそ大宰相への道が開かれる。
今日、胡主席と温家宝さんが中国海軍の航空母艦のセレモニーに出席する光景をテレビで見た。色々な見方があるだろうが、中国人はうれしいのだろうか。ロシア(ウクライナ)人によって捨てられた船を莫大な費用を使って生き返らせてどう使うのか。すくなくとも日本人が脅かされることはない。これは確実にいえる。日本人はそんな民族ではない。中国共産党指導部、とくに温家宝さんは完全に間違っている。こんな馬鹿げたことに中国民族の誇りがあるのか。貧しい時に、アフリカ人民のためにタンザン鉄道を作り,富強になればガラクタ(失礼だが)に執着ではあまりにも悲しい。この類の船は70年以上前に隣国は多数もっていた。もっと別な事に中国人の新の誇りがあるに違いない。しかし、選挙で選ばれない政権は見つけることができないのだろうか。
拙劣きわまりない対中外交の責任者の玄葉氏だが、さらに野田首相は韓国の反発を招いている。今度は事実関係の問題でどうやら韓国側に分がありそう だ。もう、この二人には外交は無理だ。いい加減にして欲しい。
世界をリードしてきた日本の電子産業の現状は正視に耐えない。どうしてこうなったのか、はさておき挽回策だ。一案にすぎないが、日本の電子技術者 を日本に囲い込む方法として電子技術院を創設し、課題をもったグループを最大300チームくらい採用する。NEDOがエネルギー技術でやっている ような方法だ。1兆円かかったとしても、将来の特許収入などを考慮し、他国企業への技術引止め効果を考えれれば、十分ペイするだろう。技術者の草 刈場になった日本の現状はまったく遺憾千万の一言だ。さらに商社でもいいが、外国電子産業のスピン・オフ組を日本電子産業の再生のために雇用する ことも考えていい。従来の電子産業の枠組みに拘ってはいけないのだ。
東京芸大だが、3ヶ月ほど前に週刊現代のグラビアで特集記事があった。人気の油絵学科以外にも邦楽科など広い学科があるようだ。しかし、画商学科はない。これって意外にあってもよさそうな学科だ。画家なり芸術家の才能は紙一重で運もあるが実は画商などの周りの人物の影響が大きい。芸術家の 卵に技術を教えるのなら、芸術のサポート、特に金銭面のサポート術を専門に教える学科があってもいいだろう。東京工大に工業所有権法の学科がある のか私は知らないがちょっと似ている。なお、各大学で工業所有権法の講座は人気が高いようだ。
フェリー会社や内航の汽船会社は経営難のところが多く、それが日本の島の人口減、ひいては日本全体の島嶼防衛の根幹を揺るがしている。ここは海自 と海保のOBを雇用する半官半民のフェリー・汽船会社を設立すべきだ。年金の支給もあるから多少の賃金が低くても働いてもらえるのではないか。 OBにとっても再就職は立派な国家社会への貢献である。とりあえず300人規模くらいから出発できないものか。
昨日の9月17日の夕方のTV番組で、ダウンタウンの浜田氏の司会で女子レスリングの吉田沙保里さんが出演した。五輪ロンドン大会の旗手をつとめ たのだが、その際「あれ、みんなどこに行ったの?」という臨場感あふれる発言をしていた。12,3人の英国人の若い男女が突然各自が棒を持って、 進路を妨害し、吉田さん以後の日本選手団を場外に追い出し、門の内側からカギをかけて締め出した。まさに五輪史上空前の無法行為を実行してくれた 訳だ。ジャマイカ選手団の後を行く日本の吉田旗手は通して、あとゴッソリ日本選手団を場外へ、そしてヨルダン(JORDAN)選手団からは通常どうり行進させた。どれだけの訓錬が必要だっただろう。この暗い情熱は一体何なのか。(続)
16.8兆円の無駄遣いがあると偽って政権を奪取してから3年余り。この日本を滅茶苦茶にしたのが民主党だ。日野富子らが応仁の乱を惹起していら い、こんな短期間での「成果」は珍しい。今回の日中間の紛争も国際的には野田、玄葉がみずから招いたものと評価されるだろう。問題として顕在化は しておらないが、平野文科相も、鳩山の官房長官時代から判断して、こんな大人になっては困るタイプの第一人者であった。それが文科相だ。古川国家 戦略相も、脱原発は国際経済からの脱競争を意味することになろう。この体たらくの原因はなにか。内閣と議会のリーダーの構成だが、大企業と官公労 の組合幹部、松下政経塾出身の上滑り自称政治家と左翼出身の夢想組の野合である。閣議の形骸化、法律に基づく政治の軽視と政冶指導と称する思いつ き政冶。このバカ騒ぎが終了したらきっちりと責任をとらせる事が再発防止の基本だ。
尖閣の成り行きは現段階では不明だ。だれでも予想できたことを野田首相が強行したわけだ。どこまで愚鈍なのか。鳩山、菅とパンドラの箱の開き手が 続いて、やっと少しまともかと思いきや、実質的に最悪の首相だったということになりかねない。国有化など、刺激は最大級だが何の国際法上のポイン ト・ゲットでもないのだ。再度言うが馬鹿の骨頂である。ところで竹島だが、ここも地権者がいるはずだ。当方の勉強不足で申し訳ないがしらない。尖 閣は米軍の射爆場、射爆島といったほうがよいか、1978年まで使用した付属島がある。竹島も射爆場に用途変えの可能性もあるから、こここそ地権 者からの買い上げが急務だろう。
宇宙が膨張しているのが常識になっているが私のイメージはこうだ。たらいに水を満たし中心に玉を落とすと波は周辺に拡大する。しかし周囲の壁にぶ つかって波は中心に戻ってくる。今の宇宙拡大のイメージは前半の状況だ。ビッグ・バンは繰り返す、と考えるべきなのだろう。地球上の海洋に隕石が 落下しての波の動きをイメージしてもいい。これなら壁はなくても良い。
何度も書いてきたが、私は7年ほど前に、超音波を使った健診で右腎のガンの可能性を指摘された。ある高名な国立の医科大学ではガンが確認され、右腎全摘の判断、セカンドに行った当時大塚にあった癌研では、担当医が年齢的にも部分摘出が妥当です、との判断を示された。すでに4.5センチ大と なっていた。全摘なら1か月後に手術可能、癌研なら3か月後まで待機が私の選択肢だった。結局、癌研に手術をお願いした。ありがたいことに以後腎 臓に関して全く普通のを送っている。今般、8月末に厚労省の専門家なるものが実質的に病腎移植手術を否定した決定を示したが、これは間違ってい る。万波医師らのややラフな周辺行為を理由にするのも間違っている。アメリカでは年間約1万5000例の移植手術が行われている。日本では死後移 植がまともには機能していないから、病腎移植はきわめて大切だ。専門家なるものは、透析の苦痛の専門家ではない。いつまでも我慢できるだろう。所 詮、他人のことだから。私はおせっかいかもしれないが彼等に猛反対する。私が全部摘出の手術を受けたとして、腎患者に提供を求められたら快諾した ろう。そして私の右腎はその方の体内で順調に機能している可能性が濃い。ちょうど今も多少欠けたが順調に私の体内で機能しているように。専門家と は、原子力の場合もそうだったが、まともな判断はできないのだろう。病人への同情心や苦痛への想像力、そして常識がかけているのだ。毎年数千人が 苦痛から逃れるのを妨害している。これは人権の侵害だ。
もし豊臣秀吉や日韓併合まで視野に入れるのなら、韓国が「恨」(ハン)を唱えるのは公平に見て当然だ。しかし、そんな時代に影も形もなかった現代 の我々にとってとんでもない「煩」(はん)である事も事実だ。人間も国も得意の時期に真価が問われる。おそらく日本史を通じて絶後の通貨高で苦し む日本産業を尻目に、これまた1円15ウォンという50%ほど適正値より安いとみられるウォン安で大好況の韓国財閥経済だ。もちろん、努力は認め る。しかし、これは前にも述べたが、第一次世界大戦時の日本経済に生き写しだ。船成金に代表される成金の醜い行状がマスコミをにぎあわせた。韓国 はどうか。どうやら隣国・日本への意趣返しに夢中のようだ。 そして自分たちの結んだ条約は都合のわるい部分は無視だ。国家の体をなしていない、 と見られても仕様がないではないか。なんで、こんな国とつきあう必要があるのか。これは日本人の共通の嘆きであった。しかし時代は、そして状況は 変わる。努力を惜しむ者が衰退するのも当然のことだ。サムスンが日本の技術者市場を草刈場にしても規制の努力、取締りの努力を日本がしないのだか ら話にならない。韓国のポスコ(浦項製鉄)の産業スパイ事件もきわめて特殊な経緯でおもてざたになったが、事件にならないほうが普遍的だろう。全 産業で、といってもいい。しかしそれは日本も歩んできた道だ。過去より近未来だ。日本はどうすればよいか。道は一つ。韓国との経済断交だ。そうな ればいままでとうって変わって、造船・石油精製・機械・鉄鋼ほとんどすべての競合業種が全設備をフル操業せざるを得なくなる。人不足が日本全国で 当たり前になる。物価も数%上がるだろうがやむを得まい。韓国が得意の絶頂の時、どう行動するかが明白になった今、我々がすべき事は一つだ。韓国 が存続すれば日本は滅びる。逆も真であるべきだ。まず経済断交。これは小出しは絶対だめだ。そして手始めに日本の首都圏の航空管制権の米国からの 返還だ。なぜ李大統領を助けるために自国の誇りを傷つけるのか。冗談ではないのである。
テロリストの実態に迫った映画だ。英雄視もせず、極端に責めもしない。登場人物がタバコをすいすぎるのとジョニ赤がよく画面にでてくる。それはともかく3篇合計5時間30分の長編である。第1篇では日本人が出まくりで意外感に襲われる。そうだ日本赤軍がヘーグあたりで事件を起こしたっけ、 と記憶をたどる。当時は理解しずらかった人たちだが、困民(おもにパレスチナ人)を助けたい、という男気だけはあったのだ、とまったく腑抜けに表 面上みえる現今の若者との対比をつい考えてしまったのだ。正直いって美しい映画とはほど遠い。特に監督が、ラミレス(本人と役者が同じ名)を意識的に太らせ、現実の国際政治(特に中東の)の醜悪なテロ業者に成り下がった状況をリアルに描き出してからは。ソ連の崩壊がイリイッチ・ラミレス・ サンチェス(本名・通称カルロス)を追い詰めるのだが、むしろそれ以後もよく生き延びたというべきか。彼、現在63歳、フランスで終身刑を服役中 である。国際政治を学ぶ方、警察、特に警備・公安関係者と自衛隊関係者、政冶に多少とも関係のある方や青少年のことにたずさわる人におすすめした い。(付言))主人公のモスクワの大学生時代(ルムンバ諸民族友好大学)の描写が欲しかった。ミッテランへの言及が鋭い。名目上といってよかろう が「大義」のあったロシア(ソビエ)トがプーチン以降どうなるのか,登場したアンドロポフ役の役者の演技を見ながら考えた。
日経の一面下に「春秋」というコラムがある。私は、この欄が、「尖閣購入はどうみても国の仕事」と記されていた事に「のけぞる」と評価した。私からみてのけぞった事を野田政権が実施した訳だ。これは東京都が実施した場合と次元がまったく違う。東京都の行為なら「寸止め」だ。そこに妙味があ る。国なら真剣だ、竹光である訳がない。これに関しては事態が進行中だ。もし「春秋」がIQ115ないし120の政府を後押ししたとしたら罪は重 い。とても重い。そうなるだろう。政府が言う「冷静な対応」とは、石原都知事が尖閣を購入することであった筈だ。
検索したが、サムスンがコカ・コーラ社とならんでスポンサーになり、ハイド・パークを貸しきるような派手な宣伝をしている様子やジョンソン・ロン ドン市長がかなり倫理的に問題のあることをする傾向にあるなどがわかった。いかしもちろん行われたとすれば陰で行うような事実は検索できなかっ た。あるネットでは、バンクーバーで行ったことを繰り返したとのでは、指摘もあった。ヘン リー王子のフル・ヌードを支持する女性ヌード隊が現れる など英国も軟らかくなったものだが、まさか政府までが、という思い込みは分かる。いかし、このロンドン市長なら何でもあり、かもしれない。さて極 東ロシアでのAPECで李大統領はクリントン国務長官から叱責とも取れる非難を浴びた後「これ以上騒がない」と言明した。クリントンの叱責の理由 が竹島だけなのか、それ以外にCIAなどの諜報機関がインドでの破壊工作などを探知して国務長官に通報したかは不明だが、英国での出来事、大統領 の行動、原因は不明だがインドでの日系企業への被災がリンケージをもっている可能性がある。このインドの被災についてはスズキだけが報道された が、まったく同じ7月18日にインドの日立工場が全焼、被害規模はこちらの方が大きいようだ。詳細は9月号の『選択』、76ページと86ページを 参照されたい。おわりに、「まったく新しい型の戦争」が既に始まっている可能性がある事を記しておきたい。
オスプレイを改良するとすれば一点だ。左右の垂直尾翼の間にもう一つのプロペラを設け360度に回転できるようにすれば事故は激減するの では ない か。同盟国の防衛相が受け売りにしろパイロットに問題がある、などという心無い発言に私は強い嫌悪感を感じる。殉職者に無礼きわまりなく、しかもあやふや な事を 言う前に改良策を川崎や三菱の技術者を招集して米国に建言してはどうなのか。意外と当事者以外のアイデアが有用なことも有り、だろう。
日本代表が途中で排除された五輪のロンドン大会の開会式問題だが、ネットに通じている人以外に知っている人は意外に少ない。言われても、英国がそんな非常識な事をやるわけが無い、という思い込みがあるようだ。しかし主催の栄誉は開催都市にある、とたしか憲章にあるように、ロンドン市が全責 任を負っているのだ。そこで現在のロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が焦点に浮かび出る。私の知る英国式パブで週2日勤めているロンドンっ子 (日本婦人と結婚)は、「あいつは馬鹿ですよ」、という。馬鹿かどうかは当方存ぜぬが、相当変わった人ではあるらしい。Boris Johnson がスペルだが、なんとキャメロン首相の後釜説さえあるようだ。たしかに保守党の党首で首相のキャメロン氏がこんな非常識な事を事 前に知っていたら、止めると信じたい。が、我がボリス氏は、空中浮遊でバカぶりを全世界にアッピールしたが、これもカモフラージュくさくて、なんでもありのお人柄のようだ。では、あくまで仮定だが、日本に対するイヤガラセを意図的にしたとしてその理由が問題となる。我が塾生が教えてくれた ネット情報だが、これがまたすごい。これほど「工作員」が多いのもめずらしい光景である。彼等の言説は、放射能汚染が排斥の理由だが、それは口実。よほど隠したい事は一つ。日本のネット雀の推測はサムスン一語のようだ。そこで、Boris Johnson Samsung で検索してみた。(続)
花王から出版された故丸田芳郎さんを記念する『一心不乱 丸田芳郎の仕事』というおそらく非売本を読んだ。いろいろ考えさせてくれる本である。信州人の仕事熱心、反応塔事件における軍の横暴、戦後の米国の日本支援、等々である。そのなかでも丸田氏が日本が、というより世界が変動相場制に移行した際、つまりニクソン・ショックの後だが、「日本民族の命運を決するような極めて困難な時期」と表現されている。40年弱後の今日からみれば、1ドル360円が、308円になったに過ぎない。過ぎない、というのはもっとすごい事がおこったことを我々が知っているからだ。しかし為政者 たるもの、この警戒心を忘れてならない。リーマン・ショックのまえは1ドル120円で現在は70円台の後半。しぼりっきた雑巾をさらに絞るには限界がありすぎる。韓国ウォンなら1円10ウォンが15ウォン(大略)である。これは天災ではない。人災だ。現にスイス・フランとユーロの関係を見 れば分かる。固定レートに近い。IMFの専務が心配して白川が心配しない。これは人災の最たるものだ。家電業界の失業者と家族の不幸の苦悩を彼は 考えたことがあるのか。円札ではない、死活的に重要なのは市場をつかまえられる生産手段の維持であり、向上だ。
以前紹介した一風変わった歴史書は第一次世界大戦による成金ブームを叱る当時の言論から始まっている。白川不況に覆われる日本と対照的に極端なウォン安大好況を謳歌する韓国財閥経済を反映したのが金大統領の最近の発言の背景だ。日本では関東大震災が4年ほど後に起こり、「天譴論」が一世 を風靡する。石原都知事の天罰論のはしりである。はたして明日の韓国にどんな形の天譴論が論じられるか、論じられないか興味深い。白川(氏)が日銀総裁に選ばれたのは、当時増上慢の状態の仙谷氏が、新聞に出たから駄目と横車を押して大蔵出身の有力候補を排したからのようだ。尖閣ビデオ隠蔽 とともに阿呆の極地ではあった。政冶優先とは素人政治家の思いつき政冶であったのだ。自民党のたとえば堀内総務会長の真摯な政冶手法に比すれば左翼ヤクザのやり口と言いたくなる。とはいえ、その堀内さん等を党外に追いやったのが小泉(氏)なのだから、彼は自民の味噌もくそも一緒のサヨナ ラ・バクチを打ったと言えそうだ。自民党総裁選だが、日本の首相を選ぶ事になりそうだ。総裁選では自民党の根本問題を争点にすべきだ。それは吉田ドクトリンをどう改めていくか、という一点であるべきだ。
民主党が原発に関する長期計画なるものを策定しようとしているが笑止だ。民主党自体の「廃炉」が現実のものになりそうだから。事故を冷静に振り返るべきだ。福島第二は一本の高圧電線が生きていたから大事故を防ぎえた。福島第一でも地下高圧線という、あって当然の仕組みがあったならば大事故は起こらず、したがって世論はどうなっていたのか。やっぱり原発は良い、との礼賛路線だったであろう。問題は、厳然たる重大な事実に比して、かかる想像上の議論が成り立つか、ということだ。エネルギーは食料、水、大気とならんで個人、社会、国家にとって必須のものだ。結論は慎重であるべき だ。私は原発の究極的安全の確保のために次の提言をしている。海抜より低くに立地し、核燃料が溶融する場合は施設全体を海没させる。たとえば猪苗代湖から冷却水を自然に導入できる場所に立地させ、長期停電があっても冷却を継続できるようにする。以上2点はあっても数千年に一回の確率で必要 になる対策だ。ほかに燃料ペレットのウラン235の量を減らし、最大300度の低温核分裂として燃料の溶融を原理的に不可能にすること。これが可能かは正直わからない。ただある程度の温度に水を上昇させるのに原子エネルギーを担当させタービンの直前で化石燃料が担当するハイブリッド方式もありだろう。以上の3点入以外にもドシドシ素人が口をはさむべきだ。原発といえば既存のものを前提するか、トリウム燃料などのまったくの新方式だけの議論はまちがっている。現在の方式でも大事故を防止するための多様なアイデアがあっていい。それなしの「審議」は、これまた笑止だ。なお、福島第一の処理は全体に堤防を築いて水没が正解だろう。チェルノブイリ型の処理は良き前例とならない。
永井路子と杉本苑子対談集『「時代」を旅する』(文春文庫)に面白い会話がある。寸白(さなだ虫)が化けて信濃の国司になる、という話がある。土 地の人が無理にくるみ酒を呑ますと苦しみだしてさなだ虫に変わったという。まるでカフカの小説だが古今著聞集なのだろうか、出典は明示されていな い。そのくらい有名な話なのであろう。実は、近衛文麿も大きなさなだ虫を飼っていたという。この虫に寄生されると飼い主の性格が萎縮し、根気がな くなる。異食症といって土くれなどが食べたくなる患者もいる。べつに本人より虫が欲するのだが、何万年もの寄生生活を繰り返してるうちに宿主の精 神まで操作できるという事であろうか。あの近衛公のむら気やなげだし癖もこの寄生虫の影響があながち否定できない。大日本帝国の実際の統括者が実 は近衛公ならぬ身中にうごめく虫であったのか。そんな事はなかろうが。なお巻末の津村節子さんとの当時の女学生の真情を語る鼎談もおもしろい。

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