在日米軍に関して日本の論壇は、その歴史的な分析の議論が不足していないか。私は、東西冷戦の終焉を象徴するベルリンの壁の崩壊が東アジアで見られるとすると在日米軍の大幅撤収がそれに当たると思う。なんで瀬戸内海の岩国に外国の基地があるのか、なぜ日本の中央の巨大な空域を外国軍が管制するのか。中国の軍拡があるにしろそれでは説明しきれない。要するに自民党政府の怠慢の積み重ねである。徹底的な仕分けが必要である。この絶好の機会をのがしてはならない。ゲーツ国防長官の一連の発言は戦時下の事とて理解する努力も必要だが、威嚇的な意味合いが強い部分については容認できない。一体どこまで協力せよというのか。タリバン掃討がなぜ必要なのか、勿論テロ組織の首脳を事件前後に匿ったこと、政権時の国政に問題があったのだろうが、それで日本に全面協力せよともし言われても応じられない。
脅しで日本に対処することは御免こうむる。この際、米国に対して20年以内に日本からの米軍全面撤収の目標を提示し、協議すべきだ。現下の新聞論調で注目を要するのは読売のそれだ。今日6日の紙面ではフィリピンの米軍基地撤廃関連のルポがのっている。言わんとする事もわからなはないが、やはり日本の世論を誤導しかねない。つまり、弁証法の正・反・合のうち、鳩山の拙劣な「対等」外交への「反」に留まっているのだ。フィリピンの記事だが、これは一面的な考察だ。売春と飲酒の街から正業の街にかわったのだ。慶祝すべき現象と報道するのがまず基本だ。おそらく本社の指示もあったのだろうか。読売は、単純な反「基地反対」から、もっとあるべき在日米軍の姿を考察し、日本の国益を米国との真剣な交渉を通してどう実現させるかの議論にそれこそ止揚すべきだ。それが名実ともに日本の代表新聞になりつつある者の責務である。
コメントする