神話と書いたが、彼の行動を否定しない。立派なことだ。ただ、佐藤優著『交渉力』を読んでも、杉原氏への妥当な評価は見られない。佐藤氏のレベルでもそうなのか、それとも裏があるのか。まず杉原の戦後すぐの外務省解雇だが、懲罰と勘違いしている人が多いようだが、人事課長だった、下田武三氏が語るまでもなく、敗戦国に外交業務はきわめて限られる。
あの幣原首相が外務官僚の大量解雇を命じたのは当然といっていい。ビザ発給もひょんなことから始めた。腹をくくって数千人に与えたのは凡人のなせる業でないことは確かだ。が,別種の訓令違反はちがう任地でもあったようだ。私から言わせると外務省の大使館、公使館に対す監督不足が露呈しているということだ。たまたま外務省の怠慢が奇功を招いただけとも言える。なお、杉原の措置で日本経由アメリカに亡命したものに当時少年だったシカゴ・マーカンタイル・イクスチェンジの創立者がいる。
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