『日米同盟の正体』孫崎享を読む

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拙稿『Ohne Freude  ヒラリーとのサイン』でも書いたが、日本の外相等は外国との文書に実に気軽にサインするようだ。先祖が不平等条約でどれだけ苦労したかの知識はなくなったのか。そういえば、小泉純一郎氏もピョンヤンでまずサインしました。孫崎享氏の新著『日米同盟の正体』でもとんでもないサインの話がある。あれほどもめにもめた安保条約は1年ごとの自動延長となっているが(いつでも、双方とも1年後に解消可能)、2005年10月29日に日本の外相・防衛庁長官と米国の国務長官・国防長官がサインした文書「日米同盟 未来のための変革と再編」で変身したという。国会審議など記憶にない。こんな事でいいのか。航空自衛隊総体の司令部がこともあろうに外国軍基地である横田基地内に移るのだから常人から見れば、この世のことともおもえないことも小泉時代にはおおありなのだろう。著者孫崎氏は外務省の出身。国際情報局長の後防衛大学教授の経歴をもつ。外務省には、91年ごろまで日本の国益を第一に考える真っ当な空気があったが、その後、巧妙で執拗な米国の間接的な人事介入で米国におもねる気風が一般的になったようだ。「影響力の代理人」は日本の各界にいる。孫崎氏もその毒牙にかかったのか。私などあまり米国大使館の工作が小泉時代うまくいきすぎて、シャー時代の駐イラン米大使館とおなじユーフォリアに浸っていると警告しているのだが、はたして効くものか。日米関係への著者の懸念は本書147ページに要約されているが、第8章の核武装に関する見解も参考になる。講談社現代新書 本体価格760円

日米同盟の正体・迷走する安全保障 (講談社現代新書) (新書)孫崎 享 (著)
商品の説明
内容紹介
アメリカの戦略が大きく変わったことをどれくらいの日本人が知っているのか?
「核の傘」は本当にあるのか?
ミサイル防衛は本当に有効なのか?
なぜ日本はいつも北朝鮮外交でアメリカに振り回されるのか?
専門家による衝撃の書!!


構成

第一章 戦略思考に弱い日本
日本に戦略思考がないと明言するキッシンジャー/シーレーン構想の真の目的/
統幕議長ですらシーレーン構想の意図を理解できなかった/上兵は謀を伐つ

第二章 二一世紀の真珠湾攻撃
ブッシュ政権はテロ予告情報になぜ反応しなかったのか/
陰謀は悪ではない/北方領土の利用価値

第三章 米国の新戦略と変わる日米関係
ソ連の脅威が消滅するショック/ソ連崩壊後の最大の脅威は日本/
米国が警戒した樋口レポート/新たな日米安全保障関係の構築

第四章 日本外交の変質
日本外交はいつから変質したか/「同盟の非対称性」をどう見るか/
日本はなぜ「日米共通の戦略」の道を邁進するか/日米関係を変える中国という要因

第五章 イラク戦争はなぜ継続されたか
米国の各種戦略とイラク戦争/駐留長期化は治安維持に寄与しない/
戦争が継続された二つの要因

第六章 米国の新たな戦い
オサマ・ビン・ラディンの戦いの目的/コーランの教えは過激か/
ハマス・ヒズボラへの対応が中東和平への道/

第七章 二一世紀の核戦略
核兵器の限定的使用を模索したブッシュ政権/ジョセフ・ナイの論理/
戦争に勝利する手段としての核兵器/一九六〇年代の核戦略に学ぶ

第八章 日本の進むべき道
核兵器保有は日本の安全保障拡大に利さない/米国の北朝鮮政策を読み違える日本/
ミサイル防衛は有効か/グローバリズムと抑止効果/国際的に高い評価を得る日本

内容(「MARC」データベースより)
冷戦後、新たな脅威を求めて迷走する米国。何の戦略もないまま、米国一体化の道を進む日本...。外交・国防を熟知するインテリジェンスの専門家が、経済的結びつきも含めた日本の安全保障について考察する。

著者について
孫崎 享(まごさき うける)
1943年旧満州国鞍山生まれ。1966年東京大学法学部中退、外務省入省。英国(2回),ソ連(2回),米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダ勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。国際情報局長時代は各国情報機関と積極的に交流。2002年より防衛大学校教授。この間公共政策学科長、人文社会学群長を歴任。2009年3月退官。『日本外交 現場からの証言』(中公新書)で山本七平賞を受賞。他の著書に『外交官』(あいうえお館)、『カナダの教訓』(ダイヤモンド社)がある。


          

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このページは、Makoto Hiroseが2009年4月12日 21:59に書いたブログ記事です。

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