建設業について
社会主義というと顧みる人も少なくなったが、建設業界はもっとも社会主義経済に適合している。計画的に無駄なく仕事をできるからだ。談合をけして礼賛するものではないが、その欠点を多少なりとも補完する働きはあるかもしれない。もちろん入札価格のそれは重大犯罪だ。ただ好景気のとき建築を抑制し、不景気時に建築をする動機付けの制度は必要だ。
数年前、中央公論に、ひょんなことからゼネコンの本社を訪れてかかわりを持った女性が、企業としての実体のなさに驚いた経緯を書いていた。企業が実は空虚だというのだ。その正否はともかく、驚きは読み手に痛いほど伝わってきた。丸投げのせいなのかもしれない。影響がないわけがない。重大な事件なのに、さほど大きく報道されていないことがある。ベトナムで日本の援助で建設中の橋が倒壊し50名を越す死者が出たのだ。両国政府の思惑が合い、真相究明の努力はすくなく見える。日本自体の信用を大きく傷つけたこの事件がこのまま忘れ去られていい訳がない。その大手ゼネコンの社長はマスコミにおおいに出ている。なにごともなかったごとくに。ベトナムだったか、日本の援助工事を受注するため、現地の役人に賄賂をおくって逮捕された日本人がいた。税金をつかってその国の人から軽蔑を買うのだから日本の納税者は踏んだり蹴ったりである。この橋梁事故と通底するものがあるのではないか。対外援助にからむ不正行為には、死刑をふくむ極刑が課されるべきである。これは冗談ではない。
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