田中角栄氏は好かれる、嫌われるの振幅がはげしい人物だ。中学生のころ、自分の家の敷地が何坪で合計何百万だ、という会話が流行ったから、首相の影響力は驚くばかりだ。
首相になってからは大蔵省の国有財産管理のM課長と2人でどう払い下げるかの密談にいそがしかった。むかし大凧にのって御金蔵に侵入しようとした大泥棒がいたが、選挙で現代の金蔵に入り込んだ人物だ。金大中拉致事件では、個人的に賠償金をいただいたことが米議会でも赤裸々になってしまった。それまで日本は力でねじふせたが、畏怖すべき所もあるというアメリカ人の対日観を「やっぱりバナナ共和国の一つだ」と一変させた功労者である。訪中したが、まったく平仄のあわない漢詩を進呈して毛沢東主席から「楚辞集注」をいただいた。作文がいまいちという揶揄です。むかし日本の高官と交渉する清国の大官の悩みは、古典の知識が相手の方が高くメンツのつぶれること著しいことだった。角栄氏が愛されることの理由の一端がある。ただ彼の偉いのはすぐ漢文の大家を顧問にした点だ。辞任声明にもいかされた。警察はほぼ手中におさめたが、検察が彼の暴走をかろうじておしとどめた。検察の株があがった所以である。次に彼のいい点は政治にダイナミズムを注入したことに尽きる。自動車重量税など彼の独創だ。時流にあった新税など最近聞いたことがない。ケータイの波取りなどナントカ審議会がでる幕じゃないのである。最近リートで大損をかっくらった私、大竹慎一氏の『世界金融恐惶序曲』を読んでいる。副島氏が別の本で藤巻氏をこけにしているようにドイツ証券の武者氏が槍玉に上がっている。勝敗は兵家の常なのだが。大竹氏は円キャリーが日銀の責任と力説する。が、利上げできないなら資金流失に課税する策はないか。需要の減った今こそ国外の抵抗はすくない。これが本日の私の提言である。
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